お寺で活かす場と人と食と(特集:地域で取り組む 食品ロス削減 より)

写真/濵田研吾

生産者、事業者、家庭から出る食品ロスは、
居場所づくりやさまざまな食料支援の取り組みに活用することができます。
水戸市内から車で20分ほどの町にユニークなお寺があると聞き、訪ねました。
 

 

お寺で活かす場と人と食と
NPO法人 ただいま (茨木県ひたちなか市)

 

<いつでも安心して、ふらっと> 

真宗大谷派正安寺(ひたちなか市中根)では、
毎月第3日曜に「ただいましょくどう」が開かれます。
NPO法人ただいまの主催で、150食分のカレーを無料でふるまい、テイクアウトもできます。
ほかにもコーヒー、クレープ、レモネード、ポップコーン、
駄菓子屋さん……縁日を思わせる賑やかさ。
正午のオープンと同時に訪れるお客さんを、多くのボランティアスタッフが出迎えます。

「ママ友、門信徒さん、高校に通う娘の友だち、
大学生、市役所の紹介で知り合った若者など、つながりはいろいろですよ」
そう語るのは増田真紀子さん。正安寺の坊守(住職の配偶者)で、
住職・増田直さんとともにふたりで、ただいまの代表理事を務めています。

「私の実家は市内の旧那珂湊地区にある寺で、ここは亡き祖父母の寺でした。
空き寺になっていたのを、住職がこちらへ移って来るのを機に、本堂と会館を再建しました。
壁と門がないので、誰でも入りやすいでしょう。
いつでも安心して、ふらっと来てほしいんです」(真紀子さん)

住職の直さんの実家は、奈良県生駒郡にあるお寺。
真紀子さんと結婚後、ひたちなか市に移り、2002年の本堂再建を機に、
正安寺の住職となりました。

「お寺は、何か困ったときの拠りどころになる場所です。
ただ、『お寺だからやる』という気持ちはありませんでした。
ひとりの市民として暮らすなかで必要を感じ、居場所づくりから始めたんです」(直さん)  

現在のただいまの事業は6つ。
フリースクール「ふらっと」、放課後の子どもの居場所「てらこや」(※1)、
子育て交流の場「ママカフェ」、若者の居場所「ハイティーンのつどい」、
フードパントリー(※2)「TeToTe」、そして、地域食堂「ただいましょくどう」です。

 

(※1)ひたちなか市「子どもの居場所運営支援事業」。
(※2)さまざまな事情で食の困りごとを抱えた人(世帯)が、
無償で食の支援が受けられる場所および活動。パントリー(pantry)は食品の貯蔵庫を意味する。

 

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お寺で活かす場と人と食と(特集:地域で取り組む 食品ロス(フードロス)削減 より)
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