哀しみも怒りもがまんしなくていい ー喪失と向き合う(特集:自分らしい終い方 葬儀を考えると見えてくる より)

グリーフサポートせたがや「サポコハウス」
文/やまがなおこ 写真/堂本ひまり

誰もがいつかは死ぬ。
この事実を受け入れることは、ときに容易ではありません。
死別や離別に直面したときに体験する、さまざまな感情や心身の反応を、
グリーフ(悲嘆)としてありのままに向き合うことを支援する、
市民によるスペースを訪ねました。

グリーフサポートせたがや(東京都世田谷区)

<グリーフサポートせたがやとは>

一般社団法人グリーフサポートせたがや(以下「せたがや」)は、
大切な人やものをなくした人に寄りそい、
ともに生きていくコミュニティづくりをめざして2014年に設立されました。
活動の原点は、アメリカ・オレゴン州にある、
死別を体験したこどもが遊びやおしゃべりを通じて
自分の経験や気持ちにふれることのできる家「タギーセンター」の視察・研修ツアー。
どんな体験、感情も否定されることなく支援を受けている様子に感銘を受け、
そうした場が地元にもほしいと、ツアー参加者を中心につながった人たちが連続講座を開催。
区の空き家活用モデル事業の助成も受け、
世田谷区太子堂の静かな住宅街の一角に「サポコハウス」をオープンさせました。  
おもな活動は、個別相談とグループでのサポートプログラム(こども・おとな別)、
だれでも参加できるサポコラボ、講演会やファシリテーター養成講座で、
いずれも研修を受けた相談員・ファシリテーターが運営しています。
特徴は、「グリーフは多様である」と捉えていることだと、
相談員の生田ゆみさんはいいます。 
「身近な人が亡くなると、その人を失うだけでなく、いろんなものを失うんですよね。
一緒にかなえるはずだった夢とか希望。引っ越ししたら元の生活も失う。
つらい、苦しい、これからどうしたらいいの?……いろんな感情で心はぐちゃぐちゃなのに
、事務的な手続きは迫ってくる、仕事にも行かなくちゃならない。
そこから生き直すのは、ほんとうにたいへんなこと。
一年、二年で済むものではありません」 
同じく相談員の佐光正子さんも続けます。
「プログラムは、年齢も性別も限定していないんですが、参加者は女性が多いんですね。
女性であることで、暮らしのなかでいろいろな偏見や差別があり、
たとえば性暴力で仕事を辞めざるを得なかったとか、
原発事故で避難して人間関係も失ったとか、
そういうこともグリーフなんだ、
怒ったり落ち込んだりするのは当たり前の反応なんだと知ることは、救いになるんですね」

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◆『のんびる』2023年7・8月号 目次
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【はじめる!情報】一般社団法人グリーフサポートせたがや
【Eメール】griefsetagaya@yahoo.co.jp 
【TEL】03-6453-4925 
【FAX】03-6453-4926 
※留守番電話の場合はお名前・連絡先を伝言ください。
 ⃝電話による個別相談 第一日曜日午後3〜5時ほか、月3回
 ⃝対面による個別相談  初回2時間無料要予約
 ⃝グリーフサポートプログラム(参加費500円) 
おとな(第一日曜日)、パートナー死別(第二日曜日)、
こども(第三土曜日)とも、午前11時〜12時半。
前日までに要予約、こども無料 
活動を支える賛助会員も募集中 詳細はウェブサイトをご覧ください。

 

 

 

 

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