【のんびるインタビュー】ことばの装い、こころの居場所 堀越喜晴さん(言語学者)

撮影/堂本ひまり  

ほりこし・よしはる
1957年新潟県生まれ。網膜芽細胞腫により、2歳半までに両眼を摘出。筑波大学大学院博士課程修了。
専門は言語学、キリスト教文学。2011~19年、『点字毎日』に「堀越喜晴のちよいと指触り」を連載。
現在は明治大学や立教大学で教鞭をとる。
著書に『バリアオーバーコミュニケーション 心に風を通わせよう』(サンパウロ)など。
 

 

2022年で創刊100年を迎えた『点字毎日』に連載された人気エッセイが1冊になりました。
『世界を手で見る、耳で見る 目で見ない族からのメッセージ』(毎日新聞出版)。
著者の堀越喜晴さんは、2歳半で光を失った言語学者です。


ことばの装い、こころの居場所 
堀越喜晴さん(言語学者)

<「目で見る族」「目で見ない族」>

──『世界を手で見る、耳で見る』の冒頭に、
『見るのグラデーション効果を皆さんと分かち合いたい』と書かれています。

視覚に限らず、あらゆる感覚に通じる「見る」のグラデーション効果です。
触って見る、聴いて見る、嗅いで見る、「見る」にはいろいろありますよね。
「火にかけている鍋を見てて」と頼まれたとします。
このときの「鍋を見る」は、単に網膜に焼き付ける意味の「見る」だけではありません。  
この考えでいくと、私たちが「見る」の住人になっても、何もおかしくありません。
「目で見る族」と「目で見ない族」の両極をつくっておくと、
そのあいだがグラデーションのように見えてくるんです。

──「目で見る族」「目で見ない族」とは?

学生時代からの友だちがつくった言葉です。
目への依存度がどれだけあるか、目でないところにどれだけ興味をもつか、ということです。
晴眼者のなかに、目で見えるもの以外を認めない人がいます。
「見ればわかるから、触ったり、聴いたりする必要はない」という考え方です。
いっぽうで、目でないところに興味をもつ人もいます。

 

…インタビューの続きは のんびる 11・12月  にてご購読ください。

 

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