銚子発「農家のカレー」ができました!(「はじめの一歩通信」より)

ウッド村ファームの畑にて。木村さん

銚子発「農家のカレー」ができました!
野菜作りの楽しさに魅了され、千葉県銚子市の15代続く農家の嫁となった木村さん。
パルシステムの実践起業塾の修了生でもあります。
自分の畑の規格外トマトを使ったカレーの商品化をきっかけに、ネットワークが拡大。
「想いは、ぜひ行動にうつして」と話す木村さんの夢は、
多くの人の力をつないで銚子も農業も元気にすることです。

農家に嫁いだ時の驚き、「もったいない!」から目指した商品化のこと、「夫の趣味がお役立ち!」etc・・・
おききしてみました。

ウッド村ファームの畑にて。木村ファミリ
「トマトカレーがきっかけで、たくさんの仲間や協力してくれる地元企業とつながりました!」
畑にて「ウッド村ファーム」 木村晃子さんとご家族。

愛情込めて作った野菜だから
むだなく食べてほしい!

 私は農業とはまったく無縁の神奈川県内のサラリーマン家庭の出身。でも母と妹が栄養士で私も調理師として働いていたことがあり、食べることは家族みんなが大好き。思えば、「食」とは縁があったんですね。
 自分の手で食べ物を作る農業にはもともと興味があり、夫との出会いも畑仕事を体験する自治体主催の農業婚活でした。その後、意気投合して畑仕事を手伝ううちに〝自分が作ったものが人の役に立つ農業って、なんてやりがいがあるんだろう!〟と思うようになりました。
 ところが結婚して驚いたのは、廃棄される規格外野菜の多いこと! トマトは1年に1トンにもなるんですよ。夫には当たり前の光景でも、私はもったいなくて。やがて〝捨てずに加工食品に利用したらどうだろう〟と考えるようになったんです。

商品化したい!
まずは製造メーカー探しから。

 そこで商品化のヒントを探しに、県の女性生産者を応援する学習会などに参加しました。いろいろな人の話を聞いて、「農家のトマトのご当地カレー」のアイデアがわいてきました。さらに、通っていたヨガ教室の先生が、偶然パルシステムの実践起業塾(※1)の修了生。私も勧められて受講しました。
 実践起業塾に参加したことで、商品化するには製造メーカーの協力が大切ということに気づき、ネットで情報収集を始めました。でも私の依頼の条件は、少数ロットでも開発に協力してくれること。メーカーにとって条件がよいわけではなく、話がまとまらないことも。それでも、最後に私の想いを受け止めてくれたメーカーさんと何度も試作を繰り返し、半年後に「トマトチキンカレー」が完成。夫は当時の私の行動力を〝すごい馬力だなあ!〟と見ていたそうです。

夫のアニメの趣味が役立ち
ひときわ目をひくカレーに!

 一方、夫はアニメ好きの趣味を生かし、知り合いのイラストレーターに依頼して、野菜を擬人化したオリジナルキャラクターを作りました。パッケージに大きくデザインしたところ、ひときわ目をひく商品になりました。営業も引き受けてくれた夫ですが、販路の開拓についてはど素人。道の駅やおみやげ屋さんなど、すべて飛び込みでの営業が続きました。ところが商品を持ってお店を回るうちに「おもしろい発想の農家がいる」「イベントなどでコラボすれば銚子を盛り上げられるんじゃないか」と評判に。市の商工会や観光協会、銚子電鉄など、まちづくりのキーパーソンとのつながりができていったんです。商品は銚子市のふるさと納税の返礼品に採用され、銚子を農業から盛り上げていこうという機運の高まりから、この8月にはウッド村ファーム主催でまちぐるみの大規模イベント(左欄参照)を開催しました。
 商品開発をきっかけにつながったこのネットワークを大切に、これからも新しい農業や街づくりに挑戦していきたいですね。
(『のんびる』2016年10月号「はじめの一歩通信」掲載)

※1:実践起業塾とは、パルシステム・セカンドリーグが各地域で開催する、
各地域の課題解決と地域づくりの想いを形にする自己実現の場を目ざした講座です。


食べてみてください♪「トマトチキンカレー」
記事で紹介した「トマトチキンカレー」を
販売しています。詳細はお問い合わせください。
ウッド村ファームの「チキントマトカレー」
©ウッド村ファーム イラスト:キャロライン300M

農園のトマトで作った「トマトチキンカレー」。
1食分200g500円(税込)。
トマトのキャラクター、リコは、
「子どもたちに野菜好きになってほしい」と、
夫・宏之さんが知り合いのイラストレーターの協力を得て制作。

●ウッド村ファーム●

【Eメール】kimurafarm1716★gmail.com
     ※★を@に変えて送信してください。
【ツイッター】@kimurafarm831


この記事は『のんびる』2016年10月号に掲載されています。
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