奇跡の出会いの場から生まれる新たな介護哲学 (特集:介護のしごとを支える より)

ひさだ・めぐみ
1947年生まれ。『フィリッピーナを愛した男たち』(文藝春秋)で、第21回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
主な著書に、『母のいる場所─シルバーヴィラ向山物語』(文藝春秋)、『シクスティーズの日々』(朝日新聞社)、
『100歳時代の新しい介護哲学ー介護を仕事にした100人の理由』(現代書館)など。
両親の介護歴20年。編集&取材チーム「花げし舎」主宰。
 

撮影/斎藤一九馬

 
団塊の世代が後期高齢者となる2025年、
日本の、とくに首都圏の介護システムは崩壊するのではと危惧されています。
そんな中、作家の久田恵さんは8人のチームを組んで100人を超す介護従事者のインタビューを実施、
現場で働く介護者の波乱万丈の人生を描き出し、新たな介護の姿を提起しています。

 

奇跡の出会いの場から生まれる新たな介護哲学
「自分でできる」「やってもらう」「やってあげる」。3つの幸せを支える仕事
ノンフィクション作家 久田恵さん

<多様な人が出会える奇跡の場> 

─『100歳時代の新しい介護哲学ー介護を仕事にした100人の理由』を拝読しました。  
この本は、介護の現場で、日々働き、悩み、喜び、そして「介護って何?」と
自問自答している人々たちの姿を追ったルポルタージュです。
彼らが介護の仕事を選んだ理由は何だったのか。
夢や志を持って、いや、致し方なく、それとも切羽詰まって? 
その真実の声を聞きたいと思いました。  
介護の仕事は言うまでもなく、他者を支える仕事です。
相手の喜怒哀楽を受け止め、その生活を、その人生を、その生死を、支える仕事です。
彼らがこの仕事と出会ってしまったわけ、それを続けているわけ、
大変だけどやめないわけを知りたかったのです。

─これは生き方を学ぶ本でもありますね。  
今私たちは、知らず知らずのうちに棲み分けされたような社会の中で生きていますが、
介護という誰の身にも起こる事態によって、
これまで出会うことのなかった人たちと出会えてしまうのが介護の現場なのです。  
ここでは、常識とか世間という衣を脱ぎ捨ててもいい。
思いがけないほどのありのままでいられる場所にすることができるのです。
ちょっと視点を変えれば、とてつもなく自由で魅力的な世界です。
時代の波に翻弄されながらも懸命に生きてきた人たちが、
介護する者、される者として出会い、お互いが影響を受け合い、
学び合うことになるたぐいまれな場だということに気づくのです。

 

・・・続きは『のんびる』11・12月号をご購読ください。

介護職という人生にはまり込んだ100人100様の人生を描き出し、
その珠玉の声を丁寧に拾い集めた貴重で面白すぎる一冊。
これから介護される人も、これから介護する人にもおすすめ


この記事は、11・12月号特集でご紹介しています。
◆『のんびる』2022年11・12月号 
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