100年前に着られていた「銘仙」を大学生が新たな形で受けつぐ(特集:服とくらし~選ぶ、着る、受けつぐより)

Ay代表の村上采さん。大学3年生のときにAyを法人化し、現在は大学を休学中。ベスト部分に銘仙を使用したAyのベストワンピースを着用。
写真提供/Ay 

群馬県伊勢崎市の伝統絹織物「伊勢崎銘仙」の着物を、
ワンピースやパンツなどに使った「Ay(アイ)」の服。
このブランドを立ち上げたのは1998年生まれの大学生、村上采さんです。
産業として衰退した伊勢崎銘仙に新しい「いのち」を吹き込んだ
ファッションに注目が集まっています。

100年前に着られていた「銘仙」を大学生が新たな形で受けつぐ
カルチャーブランド「Ay(アイ)」(群馬県前橋市)

  衰退した地元文化を再発進したい

 伊勢崎市出身の村上さんが、地元の産業だった銘仙について知ったのは中学生のとき。
「それまで『地元には何もない』と思っていたのですが、
ある日、伊勢崎銘仙の継承活動をしている地域の方たちが
中学校に来て話をしてくれたんです。
銘仙の着物も着せてもらい、そこから興味をもつようになりました」


Ay代表の村上采さん。大学3年生のときにAyを法人化し、現在は大学を休学中。
ベスト部分に銘仙を使用したAyのベストワンピースを着用 
写真提供/Ay                          

銘仙は、主に大正から昭和にかけて一般女性のふだん着や
おしゃれ着として人気を集めていたシルク100%の着物です。
五大産地と呼ばれる地域のなかでも伊勢崎銘仙は生産量が多く、
1930年には456万反も作っていたと言われるほど。
当時の女性の10 人にひとりが伊勢崎銘仙を着ていた計算になるそうです。

「モダンで鮮やかな色柄が特徴で、
現代にもじゅうぶん通じる面白いデザインですよね」
と村上さんはおっしゃいます。
とくに伊勢崎銘仙ならではの「併用絣(へいようがすり)」
は高い技術が求められ、Ayの洋服にもこの生地が使われています。
「でも、残念ながら職人の高齢化や市場縮小で、
もう伊勢崎銘仙は生産できなくなってしまいました。

村上さんは、この衰退してしまった地元の文化に注目。
残されている着物を利用して、
現代でも着られる洋服などにアレンジすることで
価値を再発信しようとしているのです。

・・・続きは 『のんびる』7・8月号をご購読ください。


村上さん(右)の着物は、92 歳になる仲良しの親戚「よしねちゃん」(左)が織ったもの。
親戚や地域の人たちの話から学ぶことが多いと村上さん。


この記事は、7・8月号特集でご紹介しています。
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