SB/CB支援マニュアル

セカンドステージSB/CB支援マニュアルについて   

 

■この冊子は、 地域のソーシャルビジネス、コミュニティビジネスを行う団体に対し支援する中間支援組織が事業展開するために、 パルシステム生活協同組合連合会の事業エリア内で中間支援を行っている「地域セカンドリーグ」が行う支援を、パルシステム連合会の地域活動支援室が「経済産業省平成23年度地域新成長産業創出促進事業費補助金(地域新事業移転促進事業)」の交付を受け、マニュアル化したものです。   

※2013年3月1日より担当部署の名称を地域活動支援課に名称変更しました。文章中は事業実施時における名称で表記しています。

パルシステム生活協同組合連合会  

 

■大量の定年者を迎える「 2007 年」問題も近づきつつある頃から、 地域・社会に「セカンドステージ」として定年を迎える方々が地域参画を求めるようになってきました。特に女性、シニア、学生といった多様な市民参画が進んでいます。また活動分野も福祉、食・農、環境、まちづくり、教育など多岐にわたるようになっています。

しかしながら、高い志はありつつもご本人だけでは具体的な活動にスムーズに参加できない場合が多くあります。また、社会性のある活動を継続させていくためには、事業性を高めていくことも必要に迫られます。

 

■パルシステムでは、地域、社会構成員として、組合員を含めた市民の地域参画の推進を行うことがミッションとして必要と認識しました。特に従来進めてきた市民活動の支援だけではなく、「生きがい」や「自己実現」を事業として継続させていく「コミュニティビジネス」にも注目しました。地域の課題を解決し、さらに仕事としても、地域活性化としても効果の高いコミュニティビジネスがセカンドステージに適していると考え、特に重点的に推進を検討しました。そこでパルシステムでは、コミュニティビジネスを中心とした、セカンドステージの推進として、セカンドリーグ支援室を発足し、市民の学びの場、相談の場、連携の場を構築しました。

 

■この一環として、セカンドリーグの推進を伴う機関誌を企画、発行し支援ツールの1つとして「のんびる」を発行し、情報の発信、セカンドリーグの啓発を始めることになりました。

 

■組合員・市民のセカンドステージへの参画を推進するには、各地域生協と提携し、リアルな地域活動、リアルな地域とつながることが必要です。そのためには、地域セカンドリーグの設立を推進してきました(現在は千葉、埼玉、神奈川が発足し、茨城が準備中)。

 

地域セカンドリーグが地域密着の現場づくりをおこない、セカンドリーグ支援室はナショナルセンターとして、各地域セカンドリーグを含めた広域地域、社会全体をセカンドリーグの理念に基づく推進を支援する役割として運営を進めています。

 

《はじめに》

 

マニュアルの概要と活用の仕方

1.目的と対象

 

本マニュアルは、地域のソーシャルビジネス / コミュニティビジネス(以下 SB/CB )中間支援団体に対し、支援の仕組みの移転とその支援の仕組みを活用する地域中間支援組織担い手の育成を行なうことを目的としている。  

支援内容は、①初期の SB/CB の立ち上げ支援、その後の②事業支援で構成している。  

具体的には、個人や団体の地域課題を解決するための SB/CB の設立から開業までの支援、開業後の事業支援、起業や事業展開のために必要な資金調達支援、地域とつながる広報支援である。その前段である、 SB/CB の必要性や社会的な意義を知らせる啓発講座や人材育成、基本的な広報支援(ホームページ、会報、メールマガジン等の作成)などの基本的な支援内容は対象としていない。

また、本マニュアルの特徴は、融資支援での信用組合との連携、起業や事業支援での企業の専門性や事業能力の活用など、企業と連携していることである。

 

2.研修の方法

 

  支援の目的と仕組みを学んでから、実際に各支援の体験を行なうことで、経験知を高める研修方法を取っている。具体的には、各種講座やモデル事業の受講生としての体験と、そのフォロー研修の受講で中間支援団体の支援者を養成する。起業者と同じ経験をすることで起業者のマインドを理解し、フォロー研修で支援の適切な視点を体得する。本マニュアルでは、メーリングリストの支援事例なども掲載した。

  起業後の資金調達支援では、実際の融資事例の支援に参加、事業支援では、「食・農等コミュニティビジネスモデル事業 ( 以下 CB モデル事業)」の企画団体のハンズオン支援に参加し、広報支援は、講座でワークを実施し、各事業を実体験することで経験知を高める研修方法としている。

  そのため、本マニュアルは各事業の仕組みと活用方法で構成している。


                                (
文責:山根眞知子)  

 

 

3.各支援事業の特徴

 

(1)地域中間組織担い手養成基礎学習

はじめに、支援者にとって必要な基本的な研修を行なう。事業計画や損益計画の支援の基本である、事業計画やマーケティング、会計経理の基礎知識を獲得する。

(2)起業支援の仕組みと支援の方法

  起業支援の仕組みの全体像を把握する。起業支援は各団体も開催しているが、起業塾終了後こそ本格的な起業支援になる。個別の開業課題にメーリングリスト ( 以下 ML) というネットでの相互支援の方法と、顔を見て行なうオフ会の支援を組み合わせて個別支援に対応している。活用法として事例を紹介している。

(3)事業発展の仕組みと支援の方法  

  企業と連携した CB モデル事業で採用された助成事業のハンズオン支援を実体験し、企業・行政など多様な関係者の巻き込み方を知る。また、支援者の主な役割はコーディネートである。多くの事例で支援方法を紹介する。

(4)資金調達支援

  信用組合と連携した融資の仕組みの全体像を把握する。融資審査の前に事業仕分けをすること、融資後の事業支援をする事で好条件の融資が実現している。融資対象者支援を実体験する事でノウハウを学ぶ。また、 NPO バンクの融資などを紹介する。

(5)企業のノウハウ活用

起業支援でも事業支援でも、例えば品質管理のように実際の事業を進めるうえでは、企業のノウハウ支援の活用は重要な位置を占めている。企業の専門性の活用を紹介する。

(6)広報支援の仕組みと支援の方法

  起業支援、事業支援と連携した広報の支援方法と、地域の情報を取り込み地域とつながる広報支援の仕組みと活用法、企業との連携方法を学ぶ。

 

 

4.マニュアルの活用法

 

   SB/CB 事業は、マニュアル内容を総合的に活用することで成功する。支援者が「仕掛け人」となることで SB/CB 事業が立ち上がる。マニュアルを作成するにあたり、特定非営利活動法人コミュニティビジネスサポートセンター代表の永沢映氏、 NPO 法人 mystyle @こだいら理事長の竹内千寿恵氏、 NPO 法人会計税務専門家ネットワーク専務理事加藤俊哉氏に委員として助言をいただいた。文章化した委員の講義内容や執筆していただいた「仕掛け方」もマニュアルに掲載しているが、多くの学びがある。

  広報支援の仕組みでは、地域活動情報誌「のんびる」の記者として地域の情報を集める「のんびる特派員」を養成する講座を有料で開催している。地域活動は日々変わっていくが、地元の記者がいることにより最新の記事が各地から集められ、地域の人的なネットワークが作られる。

この仕組みは、事業と関連するなかで本来の効果が発揮される。例えばセカンドリーグ埼玉は、岩槻市の市民のつながりやふれあいを目的にした「築地安穏朝市」を立ち上げたが、地元にいる「のんびる特派員」が取材した SB/CB 事業者の参加をコーディネートしている。同時に、安穏朝市で SB/CB 事業者を地域の人たちにつなげている。中間支援団体は、 SB/CB 支援に広報媒体として「のんびる」を使うだけではなく、「のんびる特派員」をコーディネートすることで SB/CB 支援につなげていくことができる。

  資金調達にしても同じであり、それぞれが単独に動いているのではなく、相互に関連しながら SB/CB 支援をしていることを事例などで学びながら、このマニュアルを活用してほしい。

 

 

 

目次 

セカンドリーグについて  

 

<はじめに>

マニュアルの概要と活用の仕方  


<Ⅰ 基礎研修>

 

1. 支援者養成基礎研修                         

(1) SB/CB 支援者能力の啓発

(2)支援者に必要な基礎知識の獲得

 

<Ⅱ  SB/CB 事業支援>

 

1. 起業支援の仕組みと支援の方法 

(1) 起業支援講座「実践起業塾」の仕組み               

(2) 「起業塾」を活用した起業者支援の方法              
 

2. 事業の発展の仕組みと支援の方法

(1) 「企業と連携した“食・農等コミュニティビジネスモデル事業”」の仕組み

(2) 「企業と連携した“食・農等コミュニティビジネスモデル事業”」の支援の方法   

(3) 「朝市」出店でのマーケティング実践研修              

(4) 全国の SB/CB の事業の事例から支援の視点を学ぶ          
     
 

3. ネットワーク支援の仕組みと支援の方法

(1) CB ネットワークでの SB/CB 支援                  

(2) 多摩地域のネットワーク型 SB/CB 事例                

 

4.資金調達支援の仕組み

(1)信用組合と連携した開業資金・事業資金の支援の仕組み       

(2)融資の仕組み                           

(3)融資後の経営支援                        

(4) 資金調達支援の現状                                                         

 

5.中小企業のノウハウを活用した事業支援               

(1) 企業のノウハウの活用        

(2) 事業協同組合の活用     

                                      

6.広報支援の仕組みと支援の方法

(1)中間支援団体への広報支援策と人材育成術                                      

(2)「のんびる」特派員制度~広報支援の人材育成術
(3)ブログなどを活用し、地域で
CB が信頼獲得する支援マニュアル

 

 

マニュアルダウンロード方法について

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