【連載】コロナからの一歩 「家でも学校でも安らげない」10代のための安心して過ごせるスペース

イラスト/すずき律

今年5月、家や学校に安らげる場所のない子どもが安心して過ごせるユースセンターがオープンしました。
立ち上げたのは児童養護施設の子どもの学習支援や10代向け支援サービス検索・相談サイトを運営する
認定NPO法人3keys(スリーキーズ)です。


「家でも学校でも安らげない」10代のための安心して過ごせるスペース
認定NPO法人3keys(東京都新宿区)

コロナ禍で「ステイホーム」が叫ばれるなか、
さまざまな事情から家で安心して過ごすことのできない10代の子どもたちもいます。

「家庭環境に苦しんでいる子どもにとって、昨年の4、5月は
とくに大変な時期だったと思います」。
そう話すのは認定NPO法人3keys代表理事の森山誉恵さん。
3keysが運営する10代向け支援サービス検索・相談サイト「Mex(ミークス)」でも、
コロナ禍になってから子どもの悩む声がひと際目立つようになったと話します。

「Mexは、悩みや困りごとをキーワードから選んで相談窓口や支援サービスを探すサイトですが、
『行ける居場所』というキーワードを検索する子どもがとても多いんです。
その一方で、行政にも民間にも10代向けの居場所を提供できているところはほとんどありませんでした」
「家でも学校でも安らげない」10代の子どもが安心安全に過ごせる場所が必要とされていました。

こうした背景から、3keysが今年5月11日に東京都新宿区にオープンしたのが
主に10代を対象にしたユースセンターです。
行政の制度には当てはまらない施設のため、
資金はクラウドファンディングを通じた寄付やパルシステムなどの
民間助成金を利用して集めました。

対象年齢は18歳まで(高校在学中であれば20歳まで)。
困ったときにいつでも来られるように、土日祝日も含めた週5日間、朝9時半
(土日は朝8時半)から夜9時半まで開いています。
利用料は1日200円、月4回目以降は無料。
実質月最大600円で施設内の設備や食事も含めて、何度でも利用可能です。

 


「干渉しないおばあちゃんち」
 約290平方メートルの広い室内には、
ソファの並ぶリビングや仕切りのついたデスクスペースがあり、
シャワーや洗濯機も備えています。
また、それぞれのソファは離れて置かれ、
ほかの利用者のことがあまり気にならずくつろげる工夫がされています。

広い室内には、ソファの並ぶリビングや仕切りのついたデスクスペースがあり、
シャワーや洗濯機も備えています。
また、それぞれのソファは離れて置かれ、
ほかの利用者と目線が合わない工夫がされています。
「多感な10代が過ごす場所なので、パーソナルスペースの確保は重要な要素。

安全に過ごせるように複数のスタッフでさりげなく見守っていますが、
基本的にひとりでゆっくり過ごすための場所なので、人と交流しなくていいんです」

利用者は、ソファで仮眠をとったり、スマホをいじったり、宿題をしたり……
と思い思いに過ごしています。
手作りの食事も無料で用意されていて、
キッチンスペースではお茶を飲みながらスタッフとおしゃべりする子どもの姿も。

家に代わって『ここに来たら安心できる』と思ってもらえる場所にしたいと思っています。
イメージとしては『干渉しないけど温かいおばあちゃんち』で過ごすような感じかもしれませんね」

・・・続きは『のんびる』9・10月号をご購読ください。

 

【はじめる!情報】
3keysではユースセンターをはじめ、行政の制度や支援対象からもれてしまっている
子どもたちを対象に活動しています。
活動を継続していくために、皆さまの応援をお願いいたします。

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問い合わせ先 認定NPO法人3keys(スリーキーズ)
〒160-0022 東京都新宿区新宿1 丁目12-5 Uni-works新宿御苑1F
【Eメール】info@3keys.jp
https://3keys.jp

 

この記事は、9・10月号でご紹介しています。
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