【インタビューコロナと映画①】漕いで、稼いで見えてきた町と人 青柳拓さん(映画『東京自転車節』監督)

あおやぎ・たく
1993年山梨県生まれ。日本映画大学に進学し、卒業制作で『ひいくんのあるく町』を監督、2017年に全国劇場公開された。
以後、現場で多くのドキュメンタリー映画に携わる。2021年に長編第2 作『東京自転車節』が全国劇場公開となった。
『東京自転車節』よりⓒノンデライコ/水口屋フィルム


インタビュー 
漕いで、稼いで見えてきた町と人 青柳拓さん

(映画『東京自転車節』監督)

地位なし、職なし、貯金なし。2020 年春、若きドキュメンタリー監督は、
緊急事態宣言下の東京へひとり向かった。
巷で流行りの自転車配達員として大都会を駆け抜け、
自ら撮り続ける日々。その目に映った景色とは。

 

監督ではなく、労働者として 

─『ひいくんのあるく町』に続く長編ドキュメンタリーを撮った背景には、ご自身の奨学金返還があったとか。
その額550万円!

青柳:借りたお金だから自分で返したい。
それも映画を撮って返したいと前々から考えていました。
そこで奨学金返済をテーマにしたドキュメンタリーを計画していたんです。
企画が新型コロナで中断し、どうしようか困っていたとき、
大学の先輩で映画プロデューサーの大澤一生 さんから、
「ウーバーイーツで稼ぎながら、コロナ禍の東京を撮らないか」と連絡が来たんです。

 

─それがこの夏公開された『東京自転車節』です。スマートフォンと小型アクションカメラのGoProで全編撮影され、
躍動感のあるセルフドキュメンタリーとして話題になりました。

青柳: 2020年の春、初めての緊急事態宣言で人影の消えた東京で、
仕事と撮影を始めました。あの大都会の状況下、さっそうと自転車で配達する姿が、
人と人をつなぐヒーローに見えたんです。搾取されている現実も感じましたが、
それでも働く人たちにリスペクトしたかった。
「頑張れば1日に2万円くらい稼げる」と友人から聞き、「これで奨学金が返せる!」。

─ところが現実は……
青柳:思ったほど稼げない。それ以上に人との接触がないんです。
商品を手渡すにしてもドア越しで、相手の手しか見えない。
ウイルスを運んでいるというか、疎ましく見られているような印象も受けました。
でも・・・

 

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