被災地の学校に贈られた「テイラー文庫」 津波で亡くなったアメリカ人英語教師の遺志を汲んで(連載/被災地は今 宮城県石巻市より) 

石巻市の幼稚園で子どもたちを引率するテイラーさん。 写真提供/特定非営利活動法人「テイラー・アンダーソン記念基金」

東日本大震災時、被災地石巻市で英語教師をつとめていた若いアメリカ人女性
が津波に巻き込まれ亡くなられました。
石巻の子どもをこよなく愛したテイラー・アンダーソンさん、その人です。
その尊い遺志を汲んでつくられた「テイラー文庫」の物語です。

被災地は今 宮城県石巻市

被災地の学校に贈られた「テイラー文庫」
津波で亡くなったアメリカ人英語教師の遺志を汲んで


石巻市の幼稚園で子どもたちを引率するテイラーさん。

石巻とこどもを愛したテイラーさん

米国ヴァージニア州生まれのテイラー・アンダーソンさん(当時24歳)は
少女のころから強く日本に興味を持ち、
日本語を学び、村上春樹を読み、漫画やアニメに親しむ青春を過ごしました。
テイラーさんの夢は「大きくなったら日本に行き、子どもたちに英語を教えて、
日米の架け橋になりたい」というものでした。

念願かなって補助教員として英語を教えるプログラムで石巻にやってきたのは2008年のことでした。
明るい性格のテイラーさんは、たちまち石巻に溶け込み、人気の教員となります。

東北大震災の日、テイラーさんは他の先生たちと一緒になって生徒を高台に避難させます。
ふと携帯電話をおいてきたことに気づき、一人で家に取りに戻る途中、
あの津波にあってしまったのです。
数日後、テイラーさんは遺体で発見されました。

テイラーさんの両親、アンディさんとジーンさんは深い悲しみに襲われますが、
テイラーが一番喜ぶのは自分たちが娘に代わって日米の架け橋になることだ」と考えました。
その「架け橋」の
具体的な形として設立されたのが、
石巻とアメリカの高校生・大学生の交換留学プログラムなど、
さまざまな被災地支援を行う「テイラー・アンダーソン記念基金」でした。

・・・続きはのんびる 7・8月号 をご購読ください


テイラー文庫本棚

2020年2月5日に、石巻の鮎川小学校に寄贈された「テイラー文庫」。
中央は同基金の共同代表の藤崎一郎さんとアンディ・アンダーソンさん。
右端が木工作家の遠藤伸一さん。贈られる本棚の形は学校によってそれぞれ違います。
いずれも遠藤さんの心がこもった傑作です。

この記事は、7・8月号でご紹介しています。
◆『のんびる』2021年7・8月号 
目次

◆ただいま注文受付中!こちらからお申込ください。

 

 

 

関連記事

ページ上部へ戻る