【インタビュー】闇を灯したいわたしのことばで サヘル・ローズさん(女優)

1985年イラン生まれ。8歳で来日。日本語を小学校の校長先生から学ぶ。
舞台『恭しき娼婦』では主演を務め、
主演映画『冷たい床』ではミラノ国際映画祭で最優秀主演女優賞を受賞するなど映画や舞台、
女優としても活動の幅を広げている。
第9回若者力大賞受賞。芸能活動以外に国際人権団体NGO「すべての子どもに家庭を」の活動で親善大使を務め、
最近では様々な国へ行き、子どもたちへの支援や青空教室などを行う。
撮影/坂本博和(写真工房坂本)

インタビュー 
闇を灯したいわたしのことばで サヘル・ローズさん(女優)

女優としてさまざまなジャンルで活躍しながら、
国内外の多くの子供たちに寄り添ってきたサヘル・ローズさん。
誰もが先行きのみえない日々を生きるなか、
人として何を感じ、どうこの時代と向き合うのか。
胸の内を明かしてくれました。


相手の瞳に自分が映る
─動画を始められたのは、新型コロナがきっかけだったとか。
コロナで仕事が減り家にいる私を、母が心配してくれたんでしょうね。
「今までやれなかった
ことができる時間だよ」と言ってくれたんです。

最初は動画で、世界にいる友人とつながろうと考えました。
今、世界の人たちが抱えている悩みや苦しみ、
そのなかで生きていくヒン
トをもらったり、伝えたい。
そうすれば、孤独
を感じている人も、少しは元気になってくれる気がしました。


─閉塞感のある毎日が続くなか、どんな気づきや学びがありましたか。

人の深さを知りました。
人に会えないことが、どういうことなのか考えたり……。

自分と向き合うなかで、相手の心の部分に触れたり、
人が忘れている大切なことに気づかされました。

たとえば、SNSで幸せそうな写真を投稿している人がいても、「大丈夫かな」と気になるんです。
一人ひとりが抱えている不安や孤独感は、見た目だけではわかりません。

話している相手の瞳に自分の姿が映るのを見て、
「孤独ってなんだろう」と考えることも増えました。



YouTube「サヘルローズチャンネル」で作った
母フローラさんの顔に見立てた「ライスプティング」

 

言葉は人を包み込むもの

─言葉といえば、安田菜津紀さんと出された『あなたと、わたし』に、
詩をたくさん綴
られています。
中学生のときは、いろいろとつらいことが多く、自分の感情が出せなくなったんです。
いじめられて、孤独を感じて、母にも相談できない。
唯一の話し相手が “自分” でした。

でも、声に出すことはできない。
飲みこんでいた言葉を、詩に書きとめるようになりました。

言葉は、そのとき生まれた私の感情です。
言葉で人を愛することもできれば、人を死に追い込むこともできます。
しかも、人が心に受けた傷は、相手には見えません。

見えないからこそ、言葉の暴力はなくならない。
誰かが傷ついたり、死んでしまったら、遅いんです。

言葉は本来、人を包み込むためにあると信じています。
言葉で優しさを届けたいし、人の心に寄り添いたい。



母のフローラ・ジャスミンさん(右)と
写真提供/サヘル・ローズ
・・・インタビューの続きはのんびる 3・4月号  にて

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◆サヘル・ローズ公式ページ http://excelling.co.jp/talent/sahel
◆サヘル・ローズツイッター @21Sahel
YouTube「サヘルローズチャンネル」

BOOK サヘル・ローズ 詩/安田菜津紀 写真『あなたと、わたし』
(日本写真企画、本体1,500円+税)



MOVIE 奥山和由 製作/内田伸輝 監督『女たち』
(「女たち」製作委員会、2021 年春公開予定)


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この記事は、3・4月号特集でご紹介しています。
◆『のんびる』2021年3・4月号 
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