インタビュー/差別と人権を考える
「人権」が嫌われる国で
ヒューマンライツ・ナウ事務局長/弁護士 伊藤和子
ヘイトスピーチ、外国人差別、女性差別、LGBT（性的マイノリティ）への差別……。ネットでも、街頭でもあふれる差別的言説。失われた20年で人権後進国に転落した日本～。多くの人権問題の支援に取り組む国際人権NGOヒューマンライツ・ナウの伊藤和子さんに、日本の人権をめぐる状況についてお話をうかがいました。
世界中で広がる排外主義
― 新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、欧米などで日本人を含むアジア人へ「コロナを持ち込むな」といった差別的な言葉をぶつけられるという事件の頻発が伝えられています。日本に住む私たちにとっては、ショッキングな話です。
伊藤さん：今回のコロナウイルスの問題は、日本人にとっては自分たちが「人種差別される側」になりえるということを、改めて肌で感じる機会ともなってしまったと思います。しかし今回に限らず、外国人や異民族を差別し、排除しようとする「排外主義」は近年、世界中で強まりつつあります。
新大久保で行われたヘイトスピーチデモ（写真／島崎ろでぃー）
─ なぜそうなってきたのでしょう。
伊藤さん：グローバリゼーションの進行による経済格差の拡大をはじめ、さまざまな意味で世界全体が行き詰まり、閉塞感が広がっていることの表れではないかと思います。東西冷戦終結後…
続きはのんびる5.6月号にて
取材・文/仲藤里美
撮影/堂本ひまり（伊藤さん写真）
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認定NPOヒューマンライツ・ナウ事務局長/弁護士 伊藤和子
女性、子どもの権利、えん罪事件など、人権問題に関わって活動。米国留学後の2006年、国境を越えて世界の人権問題に取り組む日本発の国際人権NGOヒューマンライツ・ナウを立ち上げ、事務局長として国内外で現在進行形の人権侵害の解決を求めて活動中。同時に、弁護士として、女性をはじめ、権利の実現を求める市民の法的問題の解決のために日々活動している。ミモザの森法律事務所代表。
この記事は、5・6月号特集でご紹介しています。
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